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2014年10月7日火曜日

光の教会


日本一の高い建築物として竣工したあべのハルカスの見学を目的とした大阪旅行。

日本屈指の大都市であり、豊臣の時代から歴史に名を刻んできた古都でもある大阪には新旧の名建築が数多く存在します。

しかし私が大阪旅行初日に訪れたのは、新大阪駅から12分かけて到着した茨木駅からバスで10分ほど移動した先にある世界的建築家 安藤忠雄設計による「光の教会(1989年竣工)」。
私の大阪旅行はここから始まりました。

「光の教会」とは茨木春日丘教会の礼拝堂です。現在も信仰生活を守るための「教会」として使用されているため、見学には事前予約とマナーが求められます。



閑静な住宅街の中、ひっそりと建つこの建物ですが平日にも関わらず私以外にも多くの見学者が訪れていました。受付で見学者ノートに記帳、お祈りをしてから名作を見せていただきました。



受付から右手に日曜学校があります。こちらでは子どもむけの「教会学校」などが催されているそうです。
日曜学校は礼拝堂から10年遅れた1999年に竣工しました。こちらは礼拝堂と異なり2階建てとして設計されております。

比較で言えば礼拝堂より日差しが多く入る明るめの空間となっています。床の仕上げや椅子、机の色味も木の明るい地色を生かした設計となっています。



受付から左手に進むと世間的に「光の教会」と呼ばれている礼拝堂に入ります。


この写真に入っている見学者の方々のように、椅子に座ってしばし自然光で象られた十字架を黙って見つめたくなる。そのような気持ちにさせる気品に満ちた空間です。



実はこの礼拝堂に入ってくるルートとしては、光の十字架の正面にあたるオルガンが先に目に入ります。上の写真でいうとオルガン左側の開口部が受付からの入口になります。この礼拝堂に入ってくる人は光の十字架を振り向いて見るようなかたちになります。遠くから認識できる位置に配置するのではなく、唐突に視界を奪うような配置計画としたのはおそらく計算なのでしょう。


床や家具は日曜学校とは対照的に黒色で仕上げられ、光の十字架を際立たせております。
実はこの木材は建設用足場板を流用したそうです。予算不足は計画当初からの大きな課題だったそうで、礼拝堂の屋根は後日施工とし、しばらくは「青空教会」とする計画になりかけたそうですが、関係者や施工会社の寄付により無事に屋根のある状態で竣工を迎えたそうです。

光の十字架は日の高さによって表情を変えるそうです。夕方まで留まりたくなりました。

中庭のベンチ

中庭と礼拝堂の間に挟まれた階段ですが・・・目指すべき2階はないようです(笑)

感想としては「これぞ名作!」

コストも最新技術もかけないでこれだけの建築を作ることができるということを思い知らされました。

大阪にいくたびに再訪問したくなる場所ですね。手続は多少煩雑ですが、それだけの価値がありますよ!














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