ページ

2014年12月26日金曜日

東京駅丸の内駅舎見学(1)

先日、阪急交通社主催のツアー「東京丸の内駅舎見学」に参加してきました。

12/20に開業100周年を迎えた東京駅。「100周年記念Suica(スイカ)」が発売中止になった騒ぎを聞いてそのことを知った方も多いかもしれませんね。

現在の東京駅は2007年(平成19年)5月30日に起工され、2012年(平成24年)10月1日に完成しました。東京大空襲でドーム屋根と3階部分が焼失した東京駅を本来の姿に近い形態に復原するというコンセプトのもとに行われたこの工事は、新技術「免震レトロフィット」を施し、100万人規模の利用者の安全を確保しております。



私のデジカメでは駅舎すべてをフレームに収めることができません(泣)
それもそのはず、長さは335mもあるのですから。
東京タワー(333m)の高さより長いことになりますね。
こちらは別の日に撮影した夕方の東京駅。
きれいにライトアップされていますね。

こちらが地震時に建物の揺れと地盤の揺れとに差が生じたときに
互いがぶつからないようにあけておく隙間です。
専門的には「エキスパンション」と言います。
こちらは隣にある旧東京中央郵便局(KITTE)の屋上庭園から撮影した東京駅です。

こちらは復元工事で復活したドーム天井です。色合いについては
当時のモノクロ写真をもとに、塗料を調色してそれをモノクロ撮影して比較するという
地味な作業を繰り返して当時の色を忠実に再現したそうです。

ツアー自体は我々のような専門家を対象としたものではなく、一般の方が数多く参加されていました。ガイドさんのお話も日常使える豆知識といった感じのものが多かったですね。
その中でも比較的有名なお話をいくつか紹介します。

ドームの写真をご覧いただくとアーチの間にある緑色の円盤があるのを確認できると思います。それを拡大したのがこちら↓。




円盤に表現されているレリーフは干支の動物たちなんですね。ただし、壁は八角形なので、レリーフは8枚しかありません。当然十二支すべてを入れることができないため、真東、真南、真西、真北を示す「卯(う)」、「午(うま)」、「酉(とり)」、「子(ね)」は外されてしまいました。

では外された動物たちはどこにいるのか?
その答えは東京から遠く離れた佐賀県にありました。

東京駅の設計者、辰野金吾の郷里、唐津に近い佐賀県武雄市に、東京駅の翌年(大正4年)に完成した武雄温泉楼門という建物があります。実はここに東京駅のドームで外された4つの干支があることが判明したのです。

2013年の改修工事をきっかけに、2階天井の四隅の板に卯、午、酉、子が彫られていることが分かった。4つの干支は、東京駅ドーム内の8つの干支と方位も対応していたそうですよ。




ではドームに関するもう一つの豆知識。

8つのレリーフの間にあるアーチの頂部にあるこの飾り。何をモチーフにしているかおわかりでしょうか?

今年の大河ドラマ「軍師官兵衛」で竹中直人さんが演じた豊臣秀吉の兜を模しているのです。秀吉の兜のなかでも特に有名な「馬藺後立兜(ばりんうしろだてかぶと)」。なぜ明治時代の洋風建築のキーストーン(アーチの最上部に最後にはめ込んで、アーチを構造的に固める石のこと)に戦国武将の兜が採用されたのでしょうか?これは今では誰もわかりません。

さて、当日のツアーは誰でも気軽に立ち入れる東京駅舎内のみではなく、東京駅上階にあるステーションホテル内も見学してきました。美味しいランチも合わせていただいてきましたよ~!

その内容は年明けのブログにて紹介させていただきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿